INTERVIEW#5

社員インタビュー

供試体の数だけ、治具がある。 複雑な条件をシンプルに解く設計 供試体の数だけ、治具がある。 複雑な条件をシンプルに 解く設計

N.K. 治具設計・解析 [2019年度入社]

大学で機械工学を学んだ後、現在はエミックの埼玉県日高市の受託試験センターにて、振動試験用治具の設計や振動解析業務を担当。供試体によって異なる複雑な条件を整理し、必要な機能をできるだけシンプルな構造に落とし込むことを心がけている。

高剛性・低コスト・作りやすさ。

試験の精度を支える治具を設計

振動試験には、評価対象となる「供試体(強度や性能を調べるためのサンプル)」、振動を加える「試験装置」、そして両者を固定する「治具」が必要です。私が担当しているのは、この治具の設計です。
自動車部品や電子部品をはじめ、供試体の形状や大きさは多種多様です。汎用的な治具で対応できる場合もありますが、複雑な形状の供試体や、高い周波数で振動させる試験では、専用の治具を作る必要があります。
治具の役割は、ただ固定するだけではありません。供試体を実際の使用状態に近い形で取り付け、試験中に余計な振動や共振(振動の幅が大きくなること)が起きないようにする必要があります。正確な試験結果を得るために、形状、剛性、コスト、作りやすさを考えながら、条件に合う治具を設計していきます。

複雑な条件もシンプルに。

パズルを解く面白さがある仕事

私が意識しているのは、できる限りシンプルな構造にすることです。治具はただ複雑な形状にすればいいわけではありません。むしろ、シンプルな構造の方が剛性を確保しやすいうえ、加工もしやすく、結果としてコストを抑えることもできます。
曲面に固定するもの、取り付け位置が複数面に分かれているもの、治具と供試体が干渉(接触)しやすいものなど、供試体の形状・条件は案件ごとに異なります。それを一つひとつ整理しながら、「どうすれば確実に固定できるか」「どこを補強すべきか」「加工しやすい構造にできるか」などを考え、設計します。感覚としてはパズルに近いかもしれません。
難しい条件ほど、考える余地がたくさんあります。派手さはありませんが、方程式を解くように答えを導き出すところに、この仕事の面白さがあると思います。

3Dモデルと実物を用いた解析。

複数検証で最適な構造を導き出す

設計においては、治具を製作する前に3Dモデルを用いた「CAE解析」を行い、強度や振動特性を確認し、構造に問題がないかを検討します。最近では、より詳細な解析ができるソフトも新たに導入しました。高精細な解析が可能になり、供試体の形状や条件に合った構造を素早く導き出せるようになりました。
また、実物を使った「ハンマリング解析」を行うこともあります。解析専用のハンマーで供試体を叩き、その応答を測定することで、振動しやすい周波数や特性を確認します。叩く位置や方向によって結果も変わるため、対象物を見ながら判断する必要があります。
解析は、数値だけで判断できるものではありません。3Dモデルのシミュレーション結果と実物の検証で誤差が生じることもあります。その差を確認し、次の仕事に生かしていくことが大切です。

MESSAGE

機械系以外の知識や経験も生かせる。

考えて形にする姿勢が大切

機械系以外の知識や経験も生かせ

る。考えて形にする姿勢が大切

エミックは、目に見えにくい「振動」という現象を扱っています。その中で治具設計は、正確な試験を実行するための重要な役割を担っています。
治具の設計や解析の仕事をするうえで、機械の知識は必要です。一方で、最近はプログラムや高度な解析ソフトを扱うケースも増えており、情報処理の知識やデータ分析などのスキルも生かせる職種になりました。
大切なのは最初から全ての知識を持っていることではなく、与えられた条件を整理し、分からないことを一つずつ確認しながら、正解に近づこうとする姿勢です。たとえ複雑な条件を前にしても、問題点を分解して考え、必要な形に落とし込んでいく。その過程が面白いと感じられる人には、向いている仕事だと思います。