専門用語集
GUIDE
耐久試験 Durability Test(たいきゅうしけん)
耐久試験とは、供試品に一定期間または一定回数の負荷を与え、長時間使用や繰り返し使用に対する耐久性を確認する試験です。英語では Durability Test または Endurance Test と表されます。
振動試験における耐久試験では、供試品にサイン波振動、ランダム振動、衝撃、実波形などの負荷を与え、破損、変形、ねじの緩み、接触不良、異音、摩耗、疲労破壊、機能異常などが発生しないかを確認します。
耐久試験は、実際の使用環境を再現する場合もあれば、短時間で不具合を確認するために、加速した条件で実施する場合もあります。自動車部品、電子機器、鉄道用品、航空宇宙機器、輸送包装品など、長期間の使用や輸送中の振動を受ける製品の評価に用いられます。
試験条件を設定する際は、加振力、振動数、加速度、速度、変位、試験時間、試験方向、供試品質量、治具質量、取付方法、機能確認のタイミングなどを確認します。供試品や治具の共振が関係する場合は、共振探索や共振耐久試験を組み合わせることがあります。
耐久試験では、試験後の外観確認だけでなく、試験中の機能確認、電気特性確認、締結部の緩み確認、異音確認などを行う場合があります。試験目的に応じて、合否判定項目を事前に明確にすることが重要です。
略語・記号:なし
別名・関連表記:寿命試験、信頼性試験、耐振試験
関連用語:振動試験、複合環境試験、信頼性評価
耐震試験 Seismic Test / Earthquake Resistance Test(たいしんしけん)
耐震試験とは、地震の揺れを想定し、製品、設備機器、制御盤、ラック、通信機器、電子機器、梱包品、構造物などが、地震動に対して損傷しないか、転倒・移動しないか、または必要な機能を維持できるかを確認する試験です。英語では Seismic Test、Earthquake Resistance Test、Seismic Qualification Test などと表されます。
耐震試験では、実際に観測された地震動の時刻歴波形、設計用地震動、合成地震波、サインビート、正弦波掃引などを用いる場合があります。JIS C 60068-3-3では、耐震試験に用いる試験波形として、正弦波掃引、サインビート、時刻歴、連続正弦波などが示されています。また、時刻歴波形には、実測波形、合成波形、ランダムサンプルによる波形が含まれる場合があります。
製品や設備機器を対象とする耐震試験では、動電式振動試験装置や大型3軸サーボ式振動試験装置を用いて、地震動相当の振動を与え、損傷、転倒、移動、固定部の健全性、通電状態、機能維持などを確認します。制御盤、ラック、通信機器、電子機器、設備機器、梱包品などでは、地震中または地震後に機能を維持できるか、安全に停止できるか、固定部や周辺構造に問題がないかを確認することが重要です。
一方、建築・地震工学分野では、建物、構造部材、非構造部材、建築設備、免震装置などの地震時挙動を確認する試験として扱われます。大型の油圧式震動台や実大三次元震動台を用いて、構造物の応答、変形、損傷、破壊挙動を確認する場合があります。
耐震試験では、震度のような一般的な揺れの強さが目安として使われる場合があります。例えば、感震機器では「震度4以上で作動するか」「震度5強相当で遮断するか」、家具・什器・設備の固定確認では「震度7相当でも転倒・移動・破損しないか」といった観点で評価される場合があります。
ただし、震度は最大加速度だけで一義的に決まるものではなく、地震波の周期、継続時間、加速度、速度、変位、入力方向などに影響されます。そのため、振動試験装置で耐震試験を行う場合は、「震度〇相当」という表現だけでなく、使用する地震波形、最大加速度、速度、変位、振動数成分、継続時間、入力方向、応答スペクトル、供試品の重心位置、固定方法、合否判定基準を確認する必要があります。
なお、防災訓練などで使用される起震車や地震体験装置は、地震の揺れを体験するための装置であり、製品や構造物の耐震性能を評価する耐震試験とは目的が異なります。
略語・記号:なし
別名・関連表記:地震試験、耐震性試験、地震動試験 地震波再現試験 地震波形再現試験 地震シミュレーション試験 地震試験 震動台実験 地震体験
関連用語:地震動、振動台実験、震動台
耐震性能 Seismic Performance(たいしんせいのう)
地震時に構造物や設備が安全性や機能をどの程度維持できるかを示す性能です。
略語・記号:なし
別名・関連表記:耐震性、地震時性能、地震耐力
関連用語:耐震試験、地震動、振動台実験
多自由度系 Multi-Degree-of-Freedom System(たじゆうどけい)
多自由度系とは、複数の独立した運動成分をもつ力学系のことです。英語では Multi-Degree-of-Freedom System と表され、略して MDOF System と記載される場合があります。
一般的に、物体や構造物は1方向だけに単純に動くのではなく、前後・左右・上下の並進運動や、各軸まわりの回転運動を組み合わせて動きます。また、複数の部品で構成された構造物では、各部品が異なる振動を示す場合があります。このように、複数の自由度をもつ構造物や機械系を多自由度系と呼びます。
当社製品に関連する振動試験では、振動試験装置が単軸方向に加振している場合でも、供試品や治具の応答は単純な1方向の運動だけになるとは限りません。供試品の構造、取付状態、治具の剛性、重心位置、加振方向などによって、複数方向の振動や回転成分が生じる場合があります。
多自由度系の考え方は、供試品の共振、モード解析、伝達関数、加速度応答、治具設計などを理解するうえで重要です。特に大型供試品や複雑な構造物では、測定点によって応答が異なることがあるため、複数点の加速度測定やモードの確認が必要になる場合があります。
なお、自由度そのものの基本的な説明については「自由度」を参照してください。
略語・記号:MDOF System
別名・関連表記:多自由度モデル、多自由度振動系、MDOF
関連用語:自由度、モード解析、モードパラメータ、固有振動数、共振、伝達関数、加速度応答、治具、加振方向
台形波 Trapezoidal Shock Pulse / Trapezoidal Wave / Trapezoidal Pulse(だいけいは)
台形波衝撃パルスとは、衝撃試験で用いられる理想衝撃パルスの一つで、短い立ち上がり時間、一定加速度区間、短い立ち下がり時間を持つ台形状の衝撃波形です。英語表記では、衝撃試験の用語として Trapezoidal Shock Pulse が最も意味が明確です。メーカー資料や試験装置の波形名称では、Trapezoidal Pulse や Trapezoidal Wave と表記される場合もあります。
台形波衝撃パルスは、立ち上がり、一定値の保持、立ち下がりで構成されます。正弦半波衝撃パルスが滑らかな半周期形状であるのに対し、台形波衝撃パルスは、一定時間、ほぼ一定の加速度を保持する波形として扱われます。
JIS C 60068-2-27 / IEC 60068-2-27では、機械的衝撃試験に用いる基本パルスとして、正弦半波、のこぎり波、台形波が規定されています。台形波衝撃パルスは、電気・電子機器、部品、装置などに対して、輸送、取扱い、使用環境などで想定される機械的衝撃への耐性を確認する目的で用いられます。
また、台形波衝撃パルスは、包装設計や製品設計における製品衝撃強さ試験にも関連します。JIS Z 0119やASTM D3332では、製品の許容加速度や損傷境界を求める試験に関係し、緩衝包装設計の基礎データを得るために活用されます。
一方で、実際の落下衝撃では、落下高さ、落下面、包装材、供試品の構造によって発生する波形が変化します。そのため、台形波衝撃パルスは、実際の落下衝撃をそのまま再現する波形というより、製品の衝撃強さや包装設計条件を評価するための、管理された試験波形として扱われます。
台形波衝撃パルスの試験条件では、最大加速度、立ち上がり時間、保持時間、立ち下がり時間、衝撃パルス作用時間などが重要になります。同じ最大加速度であっても、保持時間が長い場合は、供試品に与える速度変化や負荷が大きくなる場合があります。
動電式振動試験装置で台形波衝撃パルスを再現する場合、波形の立ち上がりや立ち下がりが急になるため、装置の加振力、速度、変位能力が制約になる場合があります。また、供試品や治具の共振によって、意図しない応答が発生する場合があります。
ショック加振制御では、実際に計測される衝撃応答波形がトレランス範囲に入るように、補正制御を行う場合があります。試験条件を確認する際は、波形形状、最大加速度、衝撃パルス作用時間、速度変化、変位、補正係数、供試品の取付状態をあわせて確認することが重要です。
略語・記号:なし
別名・関連表記:台形パルス、trapezoidal pulse
関連用語:衝撃波形、衝撃試験、正弦半波
台形波衝撃パルス Trapezoidal Shock Pulse(だいけいはしょうげきぱるす)
台形波衝撃パルス(Trapezoidal Shock Pulse)とは、時刻歴が直線的にある値まで増加し、その後、一定時間その値を取り、さらに直線的に減少してゼロとなる理想衝撃パルスです。台形波、台形パルスと呼ばれることもあります。
台形波衝撃パルスは、立ち上がり、一定値の保持、立ち下がりで構成される衝撃波形です。方形波衝撃パルスよりも立ち上がり・立ち下がりを持たせた形状として扱われ、最大加速度、立ち上がり時間、保持時間、立ち下がり時間、衝撃パルス作用時間などが試験条件に関係します。
台形波衝撃パルスは、理想化された波形形状です。実際の試験では、装置、治具、供試品、制御点、センサ特性などの影響により、完全な台形波として再現されるわけではありません。実測される衝撃応答波形が、規定されたトレランス範囲内に収まるように制御することが重要です。
詳しくは「理想衝撃パルス」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:台形波、台形パルス、Trapezoidal Pulse、Trapezoidal Wave
関連用語:理想衝撃パルス、衝撃試験、正弦半波衝撃パルス、のこぎり波衝撃パルス、方形波衝撃パルス、落下衝撃試験、製品衝撃強さ試験、最大加速度、衝撃パルス作用時間、速度変化
チャージアンプ Charge Amplifier(ちゃーじあんぷ)
チャージアンプとは、圧電式加速度ピックアップなどから出力される電荷信号を、測定器や振動制御装置で扱いやすい電圧信号に変換・増幅するための機器です。英語では Charge Amplifier と表されます。
圧電式加速度ピックアップの中には、加速度に応じた電荷を出力するタイプがあります。この電荷信号はそのままでは測定器に入力しにくいため、チャージアンプを使って電圧信号へ変換します。振動計測では、センサと測定器の間に接続し、加速度信号を記録、解析、制御に利用できる形に整えます。
チャージアンプは、振動計測、衝撃計測、振動試験装置の制御、データ収録などで使用されます。製品によっては、加速度だけでなく、速度や変位の測定表示、フィルタ、レベル出力、波形出力などの機能を持ち、振動計として構成されているものもあります。
ただし、すべてのチャージアンプが振動計というわけではありません。一般には、電荷出力型センサの信号を電圧信号に変換する機器を指し、振動計としての表示・演算・記録機能を持つかどうかは、製品の仕様によって異なります。
当社では、チャージアンプ方式の振動計や、振動制御装置・計測装置の前段で使用するプリチャージアンプを取り扱っています。専門用語集では、一般的な用語としては「チャージアンプ」を標準用語とし、当社製品名・当社表記として「プリチャージアンプ」を関連用語として扱います。
略語・記号:なし
別名・関連表記:電荷増幅器、チャージコンバータ、プリアンプ、前置増幅器、プリチャージアンプ
関連用語:プリチャージアンプ、加速度ピックアップ、圧電式加速度ピックアップ、振動計、振動制御装置、データ収録装置、加速度、速度、変位
調波分析 Harmonic Analysis(ちょうはぶんせき)
調波分析とは、複雑な波形を、基本となる振動数成分と、その整数倍の振動数成分に分けて調べる解析方法です。英語では Harmonic Analysis と表されます。
一般的に、実際の振動や音、電気信号などは、単一の正弦波だけで構成されているとは限りません。基本周波数に加えて、2倍、3倍、4倍といった整数倍の周波数成分を含む場合があります。これらの成分を調波、または高調波と呼びます。調波分析では、波形に含まれる各周波数成分の大きさや特徴を確認します。
当社製品に関連する振動試験や振動解析では、供試品、治具、回転機器、電気機器などから発生する振動や音の周波数成分を確認する際に、調波分析の考え方が関係します。例えば、特定の回転数や駆動周波数に対して、その整数倍の周波数成分が大きく出ている場合、部品のアンバランス、がたつき、非線形性、接触、共振などが関係している可能性があります。
振動試験装置では、入力した波形に対して供試品や治具がどのような応答を示しているかを確認するため、FFTや周波数分析を用いる場合があります。調波分析は、周波数分析の一種として扱うことができるため、詳細は「周波数分析」「FFT」「伝達関数」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:高調波分析、ハーモニック解析、周波数成分分析
関連用語:周波数分析、FFT、調和振動、正弦波振動、伝達関数、共振、加速度応答、ラトルノイズ試験
調和振動 Harmonic Vibration(ちょうわしんどう)
調和振動とは、時間に対して正弦波状に変化する振動です。英語では Harmonic Vibration と表されます。
一般的には、一定の振動数と振幅をもって規則的に繰り返される振動を指します。理想的な調和振動は、最も基本的な周期振動の一つであり、振動解析や波形の説明で用いられます。
当社製品に関連する振動試験では、調和振動は、正弦波振動やサイン波振動と近い意味で扱われます。振動試験装置で一定の振動数の正弦波を入力し、供試品の応答や共振を確認する場合などに関係します。
ただし、当社の用語集では、試験名称や実務上の説明としては「正弦波振動」または「正弦波振動試験」を優先して使用します。調和振動は、正弦波状の振動を説明する関連用語として短めに整理します。
詳細は「正弦波振動」「正弦波振動試験」「周期振動」「共振」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:正弦波振動、サイン波振動、周期振動
関連用語:正弦波振動、正弦波振動試験、周期振動、共振
低温試験 Low Temperature Test / Low Temperature Testing(ていおんしけん)
低温試験とは、供試品を低温環境にさらし、性能、機能、外観、材料、構造などに異常が生じないかを確認する試験です。英語では Low Temperature Test または Low Temperature Testing と表されます。一般的には、寒冷地での使用、冬季輸送、低温保管、屋外設置などを想定して行われます。低温環境では、樹脂やゴムの硬化、材料の収縮、潤滑性の低下、結露・凍結、電池性能の低下、電子部品の動作不良などが発生する場合があります。
当社では、温度試験槽や温(湿)度試験槽を用いて、供試品を所定の低温条件で一定時間保持し、低温環境に対する耐久性や信頼性を確認します。対応する温度範囲は装置仕様や試験条件によって異なりますが、目安として −70℃程度までの低温条件に対応する場合があります。
温度を周期的に変化させる場合は「温度サイクル試験」、高温条件で評価する場合は「高温試験」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:低温保存試験、低温動作試験、耐寒試験
関連用語:温(湿)度試験槽、高温試験、温度サイクル試験、設定温度、到達温度、温度/湿度安定状態
定格皮相電力 Apparent power(ていかくひそうでんりょく)
定格皮相電力(Rated apparent power)とは、交流機器が定格条件で扱うことのできる皮相電力を示す用語です。単位には VA または kVA が用いられます。
皮相電力は、交流回路における電圧と電流の積で求められる電力の大きさです。実際に仕事として消費される有効電力と、機器の動作に必要となる磁界や電界の形成に関わる無効電力を含めた、交流電力全体の大きさを表します。
動電式振動試験装置では、装置を安定して運転するために、設置場所側で十分な供給電源容量を確保する必要があります。当社では、この供給電源容量を示す仕様項目として「所要電力」を使用します。
そのため、当社のカタログや仕様表では、定格皮相電力そのものを主な項目名として扱うのではなく、設置場所側で必要となる電源容量を示す項目として「所要電力」を確認します。詳細は、「所要電力」を参照してください。
略語・記号:VA
別名・関連表記:定格電力、皮相電力
関連用語:電力増幅器
ディケード Decade(でぃけーど)
ディケードとは、周波数などの値が10倍または1/10倍になる範囲を表す考え方です。英語では Decade と表されます。
一般的には、対数目盛で周波数範囲を表すときに使われます。例えば、10 Hz から 100 Hz、100 Hz から 1000 Hz は、それぞれ1ディケードの範囲です。
当社製品に関連する振動試験や振動解析では、周波数応答、伝達関数、PSD、ASD、ボード線図などを確認する際に、ディケードの考え方が関係します。周波数範囲を広く扱う場合、線形目盛ではなく対数目盛で見ることで、低周波から高周波までの変化を把握しやすくなります。
周波数が2倍または1/2倍になる関係は「オクターブ」と呼びます。詳細は「オクターブ」「周波数分析」「伝達関数」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:十倍範囲、対数周波数範囲
関連用語:オクターブ、周波数分析、伝達関数、PSD、ASD
デシベル Decibel(でしべる)
デシベルとは、音、振動、電気信号などの大きさの比を、対数で表す単位です。英語では Decibel と表され、記号は dB です。
デシベルは、ある物理量そのものの絶対値ではなく、基準となる値に対して、比較する値が何倍、または何分の一であるかを表す相対値です。音の強さ、音圧レベル、振動の大きさ、電力、増幅率、減衰率などの比較に用いられます。
デシベルを使う理由の一つは、非常に大きな範囲の値を扱いやすくできることです。音や振動、電気信号では、値が何倍にも大きくなったり、小さくなったりします。これを通常の倍率で扱うと数値が大きくなりすぎる場合がありますが、デシベルでは対数で表すため、数値を扱いやすくできます。
また、デシベルでは、倍率の掛け算を足し算として扱えるため、増幅や減衰の計算が分かりやすくなります。例えば、あるアンプで約35 dB増幅し、次のアンプで約19 dB増幅する場合、全体の増幅は 35 dB+19 dB=54 dB として表せます。通常の倍率では 56倍×9倍=504倍のように掛け算になりますが、デシベルでは足し算で表現できます。
さらに、人間の感覚との相性がよいことも、デシベルが使われる理由です。人間の聴覚は、物理的な音のエネルギーが2倍、4倍、8倍、16倍のように対数的に増えていくと、音の大きさが段階的に増えたように感じます。そのため、音の大きさを表す場合、単純な物理量そのものよりも、デシベルで表した方が感覚に近い形で扱いやすくなります。
当社製品に関連する騒音測定やラトルノイズ評価では、音圧レベル dB(Z) や、人間の聴覚特性を考慮した騒音レベル dB(A) が使われます。dB(Z) は周波数による重みづけ補正を行わない音圧レベル、dB(A) は人の聴感に近づけるためのA特性補正を行った騒音レベルです。
デシベルは、ラトルノイズ試験、防音機構、騒音測定、1/3オクターブ解析などで関係します。音に関する詳細は「音圧レベル」「騒音レベル」「A特性」「Z特性」を参照してください。
略語・記号:dB
別名・関連表記:デシベル値、dB値
関連用語:音圧レベル、騒音レベル、A特性、Z特性、ラトルノイズ試験、1/3オクターブ解析
電子部品用高周波治具 High-frequency Fixture for Electronic Components(でんしぶひんようこうしゅうはじぐ)
電子部品用高周波治具とは、電子部品やプリント基板などの小型・軽量供試品を、高い振動数範囲で振動試験するための治具を表す名称です。英語では High-frequency Fixture for Electronic Components と表すことができます。
当社では、過去にこの名称を採用していましたが、現在はサイコロ治具を当社名称として使用しています。英語表記は、当社では Cubic Style Fixture とします。
そのため、本用語集では、電子部品用高周波治具はサイコロ治具の旧名称または用途を説明する関連表記として扱います。
詳細は「サイコロ治具」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:サイコロ治具、Cubic Style Fixture、高周波治具、電子部品治具、小型部品用治具
関連用語:サイコロ治具、治具、伝達率、加速度応答、共振、振動数
伝達関数 Transfer Function(でんたつかんすう)
伝達関数(Transfer Function:TF)とは、入力に対して出力がどのように応答するかを、振動数ごとに表した特性です。簡単に表すと、入力に対する出力の比を示すもので、一般的には出力/入力として扱います。
振動試験や振動解析では、入力側の加速度、力、変位などに対して、供試品や治具の別の点がどのように応答するかを確認するために伝達関数を用います。例えば、振動台の加速度を入力、供試品上の加速度を出力として比較すると、振動台の動きに対して供試品がどの振動数で大きく応答するかを確認できます。
伝達関数は、振動試験において重要な評価指標の一つです。供試品や治具に振動がどのように伝わっているかを把握できるため、共振の有無、応答倍率、減衰、取付状態、治具剛性などを確認する際に役立ちます。
振動試験では、伝達関数は一般に、横軸を振動数、縦軸を応答の大きさとして表すグラフで確認します。必要に応じて、入力に対する出力の位相差もあわせて確認します。これにより、どの振動数で振動が大きく伝わるか、または伝わりにくくなるかを把握できます。
意図した振動条件が正しく伝わっている状態では、制御点や入力点で設定した振動が、供試品や治具の評価したい位置に大きな乱れなく伝わっています。一方、治具や供試品の共振、取付部の緩み、剛性不足などがある場合、特定の振動数で応答が大きく増幅したり、逆に十分に伝わらなかったりすることがあります。このような状態では、供試品に意図した振動条件が正しく加わっていない可能性があります。
振動試験装置の制御では、制御点のセンサ信号を振動制御装置へ戻し、設定した試験条件に近づくように加振出力を補正する閉ループ制御が用いられます。閉ループ制御では、入力に対して供試品や治具がどのように応答するかを把握することが重要であり、伝達関数はその関係を確認するための重要な情報となります。
伝達関数を評価する際は、制御点、計測点、取付方法、センサ感度、振動数範囲、加振レベル、治具剛性などを確認する必要があります。測定した伝達関数は、共振探索、治具評価、固定方法の見直し、試験条件の妥当性確認に役立ちます。
略語・記号:TF
別名・関連表記:周波数応答関数、FRF
関連用語:振動制御装置、FFT、周波数応答
伝達率 Transmissibility(でんたつりつ)
伝達率とは、入力された振動や衝撃が、別の位置にどの程度伝わったかを表す比率です。英語では Transmissibility と表されます。
振動試験では、振動台や治具に入力された加速度に対して、供試品の各部や測定点でどの程度の加速度応答が生じているかを確認する場合に使われます。一般に、入力に対する応答の比として表し、共振付近では伝達率が大きくなることがあります。
伝達率は、供試品の共振確認、治具の設計、取付状態の確認、防振効果の確認などに用いられます。伝達関数と近い考え方で扱われる場合がありますが、詳細な周波数応答の説明については「伝達関数」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:振動伝達率、加速度伝達率
関連用語:伝達関数、加速度応答、共振、防振機構
電力増幅器 Power Amplifier(でんりょくぞうふくき)
電力増幅器(Power Amplifier)とは、振動制御装置からの信号を増幅し、振動発生機を駆動するための電力を供給する装置です。
動電式振動試験装置では、振動制御装置が試験条件に応じた信号を出力し、電力増幅器がその信号を大きな電力に変換して振動発生機へ供給します。振動発生機は、供給された電力によって可動部を動かし、供試品に振動負荷を与えます。
電力増幅器は、加振力、振動数、加速度、速度、変位の条件を成立させるために重要な構成要素です。出力容量が不足すると、目標とする加振レベルに到達できなかったり、波形が歪んだり、保護機能が作動したりする場合があります。
「アンプ」「パワーアンプ」など様々な呼び方がありますが、当社の試験装置では「電力増幅器」を標準として表記します。
略語・記号:なし
別名・関連表記:パワーアンプ、アンプ、増幅器
関連用語:振動発生機、コンソールラック、振動制御装置
搭載質量 Payload(とうさいしつりょう)
搭載質量(Payload)とは、振動試験装置や水平加振台、補助テーブルなどに搭載して試験する供試品や治具などの質量を表す仕様項目です。
振動試験では、供試品だけでなく、固定治具、アダプタープレート、ボルト、ケーブル保持具なども加振対象になります。そのため、装置能力を確認する際は、供試品質量だけでなく、実際に動かすすべての質量を考慮する必要があります。
搭載質量が大きくなると、同じ加速度を出すために必要な加振力が大きくなります。また、低振動数域では変位、中間振動数域では速度、高振動数域では加振力や治具剛性が制約になる場合があります。
仕様表上の搭載質量は、装置に載せられる質量の目安ですが、搭載質量だけで試験可否が決まるわけではありません。加振力、振動数、加速度、速度、変位、試験波形、重心位置、許容偏心モーメントをあわせて確認する必要があります。
重心が高い供試品や、取付位置が加振中心からずれている供試品では、搭載質量が仕様範囲内であっても、偏心モーメントや治具剛性の影響によって試験条件を満たせない場合があります。また、無理な条件で試験を行うと、振動試験装置や水平加振台、治具、取付部に過大な負荷がかかり、装置の故障につながる可能性があります。そのため、搭載質量だけで判断せず、供試品の重心位置、取付方法、治具剛性、許容偏心モーメントを含めて確認することが、安定した試験の実施と装置トラブルの防止につながります。
略語・記号:なし
別名・関連表記:最大搭載質量、供試品質量、積載質量
関連用語:供試品、治具、加振力
到達温度 Reached Temperature / Attained Temperature(とうたつおんど)
到達温度とは、温度試験や温(湿)度試験において、試験槽内や供試品、測定点などが実際に到達した温度を指します。英語では Reached Temperature または Attained Temperature と表すことができます。
一般的に、設定温度と到達温度は同じ意味ではありません。設定温度は試験槽に指示する目標値であり、到達温度は実際に測定された温度です。槽内の空気循環、供試品の熱容量、発熱、配置、測定位置などによって、到達温度に差が生じる場合があります。
当社の温(湿)度試験槽や温(湿)度試験室では、設定温度だけでなく、有効空間内の温度、供試品周辺の温度、温度安定状態を確認することが重要です。試験条件によっては、槽内温度が設定値に到達していても、供試品内部や大型供試品の中心部が同じ温度に到達するまで時間がかかる場合があります。
詳細は「設定温度」「有効空間」「温度/湿度安定状態」「温度極値到達時間」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:実到達温度、到達した温度
関連用語:設定温度、有効空間、温度/湿度安定状態、温度極値到達時間、低温試験、高温試験
動電式衝撃試験装置 Electrodynamic Shock Testing System(どうでんしきしょうげきしけんそうち)
動電式衝撃試験装置とは、動電式の振動発生機を用いて、供試品に制御された衝撃波形を与える試験装置です。英語では Electrodynamic Shock Testing System と表すことができます。
一般的な衝撃試験では、落下、衝突、急停止、荷扱いなどによって発生する一時的な大きな加速度負荷を再現し、供試品の耐衝撃性、機能、構造、取付部、内部部品などに異常がないかを確認します。
動電式衝撃試験装置では、動電式振動発生機、電力増幅器、制御装置、アンプラック、コンソールラック、治具などを組み合わせ、目的に応じた衝撃波形を再現します。
動電式アクチュエータの応答特性と制御技術により、開発評価、ライン検査、車載センサ評価、電装品評価など、再現性や制御性が求められる衝撃試験に用いられます。特に、エアバッグシステムに組み込まれるセンサなど、高い信頼性が求められる部品では、試験装置自体にも高い再現性と安定性が求められます。
動電式衝撃試験装置では、衝撃加速度、最大加速度、最大変位、最大速度、最大速度変化、所要電力、供試品質量、可動部取付パターンなどが重要な仕様項目になります。供試品や試験目的に応じて、衝撃波形、加振方向、供試品取付方法、治具剛性、制御条件を確認する必要があります。
落下式や機械式の衝撃試験装置では、衝撃条件が機械構造や落下条件に大きく依存します。一方、動電式衝撃試験装置では、制御装置と電力増幅器により、目的に応じた衝撃波形を再現しやすいことが特長です。
なお、動電式衝撃試験装置は、動電式振動試験装置の技術を応用して衝撃波形を発生させる装置です。振動試験全般については「動電式振動試験装置」、衝撃波形については「衝撃波形」、正弦半波などの具体的な波形については「正弦半波衝撃パルス」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:動電式ショック試験装置、衝撃試験装置
関連用語:衝撃試験、衝撃波形、衝撃加速度、正弦半波衝撃パルス、動電式振動試験装置、動電式衝撃発生機、電力増幅器、振動制御装置、加振力、治具、加速度応答、ピーク値
動電式衝撃発生機 Electrodynamic Shock Generator(どうでんしきしょうげきはっせいき)
動電式衝撃発生機とは、動電式衝撃試験装置において、供試品に与える衝撃波形を発生させる加振部です。英語では Electrodynamic Shock Generator と表すことができます。
動電式の駆動原理により可動部を動かし、治具や供試品へ制御された衝撃入力を与えます。電力増幅器や制御装置と組み合わせて使用され、目的に応じた衝撃波形を発生させます。
当社の用語集では、動電式衝撃発生機は装置全体ではなく、動電式衝撃試験装置を構成する発生機・加振部として扱います。装置全体の構成、用途、仕様項目、試験条件については「動電式衝撃試験装置」を参照してください。
詳細は「動電式衝撃試験装置」「衝撃波形」「衝撃加速度」「正弦半波衝撃パルス」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:衝撃発生機、動電式ショック発生機、動電式衝撃加振機
関連用語:動電式衝撃試験装置、衝撃試験、衝撃波形、衝撃加速度、正弦半波衝撃パルス、振動発生機、電力増幅器、振動制御装置、可動部
動電式振動試験装置 Electrodynamic Vibration Testing System(どうでんしきしんどうしけんそうち)
動電式振動試験装置(Electrodynamic Vibration Testing System)とは、電磁力を利用して可動部を動かし、供試品に振動負荷を与える振動試験装置です。
動電式振動試験装置は、振動制御装置、電力増幅器、振動発生機、可動部、加速度ピックアップ、治具などを組み合わせて構成されます。振動制御装置からの電気信号を電力増幅器で増幅し、振動発生機の可動部を動かすことで、設定した振動条件を再現します。
動電式振動試験装置の大きな特徴は、電気信号によって可動部を制御するため、波形を再現しやすく、サイン波振動、ランダム振動、衝撃波、実波形再現など、さまざまな試験波形に対応しやすいことです。また、機械式や油圧式と比べて、比較的高い振動数範囲まで制御しやすく、電子機器、自動車部品、航空宇宙機器、鉄道用品、輸送包装品など、幅広い分野の振動試験に用いられます。
装置選定では、最大加振力、振動数範囲、最大加速度、最大速度、最大変位、可動部質量、搭載質量、供試品質量、治具質量、許容偏心モーメントを確認します。仕様表上の最大値だけでなく、実際の試験条件の組合せで成立するかを確認することが重要です。
動電式振動試験装置は、温(湿)度試験槽と組み合わせることで、振動負荷、温度負荷、湿度負荷を同時または連動して与える複合環境試験装置として構成することもできます。
動電型、導電型、振動試験機、加振機、シェーカーなど、検索上は様々な表記が見られます。これらの表記を整理したうえで、JIS B 7758:2016「動電式振動試験装置-性能特性」で用いられている表記に合わせ、当社では「動電式振動試験装置」を正式表記とします。
略語・記号:なし
別名・関連表記:シェーカー、動電型振動試験機、電磁式振動試験装置、加振機、振動試験機
関連用語:振動発生機、電力増幅器、振動制御装置