専門用語集
GUIDE
ハーバーサイン衝撃パルス Haversine Shock Pulse(はーばーさいんしょうげきぱるす)
ハーバーサイン衝撃パルスは、当社既存ページなどで使用している表記です。専門用語集では、標準用語を「バーサイン衝撃パルス」とし、ハーバーサイン衝撃パルスは別名・当社既存表記として扱います。
英語では Haversine Shock Pulse と表される場合がありますが、JIS B 0153の用語整理ではバーサイン衝撃パルスが標準用語として扱われます。
ハーバーサイン衝撃パルスは、バーサイン衝撃パルスを指す表現として用いられることがあります。詳細はバーサイン衝撃パルスを参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:バーサイン衝撃パルス、Versine Shock Pulse
関連用語:バーサイン衝撃パルス、理想衝撃パルス、衝撃試験、正弦半波衝撃パルス
ハーフサイン Half-sine(はーふさいん)
「ハーフサイン」とは、正弦半波衝撃パルスを指す際によく使われる呼び方です。英語の「Half-sine」に由来しており、衝撃試験の現場や装置の波形名称として使われることがあります。
専門用語集では、標準用語を「正弦半波衝撃パルス」とし、「ハーフサイン」は別名・関連表記として扱います。
詳細は「正弦半波衝撃パルス」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:正弦半波衝撃パルス、半正弦波、Half-sine Shock Pulse
関連用語:正弦半波衝撃パルス、理想衝撃パルス、衝撃試験、衝撃パルス作用時間
ハーフループスプリング Half-loop Spring(はーふるーぷすぷりんぐ)
ハーフループスプリングとは、ループ状のばね構造の一部を用いたばね部品、または半円状・半ループ状の形状をもつ支持ばねを指します。英語では Half-loop Spring と表すことができます。
一般的には、ばね形状によって弾性変形を利用し、荷重支持、位置保持、復元力の付与、振動系の支持などに使われます。形状や取付条件によって、ばね定数、固有振動数、耐久性、応力集中の状態が変わります。
当社製品に関連する振動試験装置や衝撃試験装置では、可動部や支持機構、拘束機構などにばね要素が関係する場合があります。ハーフループスプリングは、ばね特性や取付スペース、変位方向などを考慮して使用される部品として整理します。
フルループ形状のばねについては「フルループスプリング」、ばね特性の基本については「ばね定数」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:半ループスプリング、ループスプリング、U字ばね
関連用語:フルループスプリング、ばね定数、減衰、振動発生機、衝撃試験装置
反共振 Antiresonance(はんきょうしん)
反共振とは、振動系において、特定の振動数で応答が小さくなる現象です。英語では Antiresonance と表されます。
一般的に、共振では特定の振動数で応答が大きくなりますが、反共振では逆に応答が小さくなります。多自由度系や複雑な構造物では、入力点と測定点の関係によって、特定の振動数で振動が打ち消されるように見える場合があります。
当社製品に関連する振動試験では、供試品、治具、加振台、固定条件などの影響により、伝達関数や加速度応答に反共振が現れる場合があります。反共振は、単純に振動が伝わっていないという意味ではなく、構造物の振動モードや測定点の位置関係によって生じるため、共振とあわせて確認することが重要です。
詳細は「反共振振動数」「共振」「伝達関数」「多自由度系」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:アンチレゾナンス、反共振現象
関連用語:反共振振動数、共振、伝達関数、多自由度系、加速度応答
反共振振動数 Antiresonance Frequency(はんきょうしんしんどうすう)
反共振振動数とは、反共振が発生し、応答が小さくなる振動数のことです。英語では Antiresonance Frequency と表されます。
振動試験や振動解析では、伝達関数や周波数応答を確認した際に、応答が大きくなる共振点だけでなく、応答が小さくなる反共振点が現れる場合があります。
反共振振動数は、供試品や治具の構造、質量、剛性、拘束条件、測定点の位置によって変化します。詳細な反共振の考え方については「反共振」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:反共振周波数、アンチレゾナンス周波数
関連用語:反共振、共振、伝達関数、加速度応答、多自由度系
バーサイン衝撃パルス Versine Shock Pulse / Haversine Shock Pulse(ばーさいんしょうげきぱるす)
バーサイン衝撃パルスとは、バーサイン関数で表される時刻歴を持つ理想衝撃パルスです。英語では Versine Shock Pulse または Haversine Shock Pulse と表されます。
バーサイン衝撃パルスは、滑らかに立ち上がり、最大値に達したあと、滑らかにゼロへ戻る波形として扱われます。正弦半波衝撃パルスと同様に、急激な不連続を持たない波形ですが、波形の定義や用途は規格・試験条件によって確認が必要です。
専門用語集では、JIS B 0153の用語に合わせ、標準表記を「バーサイン衝撃パルス」とし、「ハーバーサイン衝撃パルス」は別名・当社既存表記として扱います。
略語・記号:なし
別名・関連表記:ハーバーサイン衝撃パルス、Haversine Shock Pulse
関連用語:理想衝撃パルス、正弦半波衝撃パルス、衝撃試験、衝撃パルス作用時間
ばね定数 Spring Constant(ばねていすう)
ばね定数とは、ばねに加えた力と、その力によって生じる変位の関係を表す値です。英語では Spring Constant と表され、記号は k が使われます。
ばね定数が大きいほど、同じ力を加えたときの変位は小さくなり、硬いばねであることを示します。反対に、ばね定数が小さいほど、同じ力で大きく変位しやすくなります。
振動試験や防振設計では、ばね定数は固有振動数、防振性能、支持条件、共振の発生しやすさに関係します。空気ばね、防振ゴム、スプリング、治具や構造物の支持部を検討する際に重要な値です。
詳細は「防振空気ばね」「防振機構」「固有振動数」「共振」を参照してください。
略語・記号:k
別名・関連表記:スプリング定数、ばね剛性
関連用語:防振空気ばね、防振機構、固有振動数、共振、空気ばね
パイプチャック Pipe Chuck(ぱいぷちゃっく)
パイプチャックとは、振動発生機の可動部を温(湿)度試験槽内へ延長し、槽内で供試品に振動を与えるために使用する治具・アタッチメントです。英語では Pipe Chuck と表すことができます。


一般的に「チャック」は、部品や供試品をつかんで固定する機構を指す場合があります。ただし、当社のパイプチャックには、一般的なチャックのように供試品をつかむ機能はありません。当社のパイプチャックは、振動発生機と温(湿)度試験槽を組み合わせた複合環境試験において、振動発生機の可動部を試験槽内へ導き、槽内の供試品に振動を伝えるための構成部品です。
当社では、過去にパイプチャックを用いた複合環境試験用の構成が存在していました。ただし、現在の当社製品ラインナップには、パイプチャックを標準的に使用する構成はありません。そのため、本用語集では、現在販売中の標準製品というより、過去の装置構成や複合環境試験に関連する治具・アタッチメントの用語として整理します。
パイプチャックは、温(湿)度試験槽の底板を貫通するように設置され、下側で振動発生機の可動部と接続し、上側で試験槽内の振動台または供試品取付面として機能します。これにより、供試品を温(湿)度試験槽内に収めた状態で、温度・湿度環境を与えながら振動負荷を加えることができます。
写真の構成では、温(湿)度試験槽の底板部に開口があり、その下に振動発生機が配置されています。パイプチャックは、その開口部を貫通して試験槽内へ立ち上がる円筒状の部材として設置されており、上面には供試品や治具を取り付けるための取付面があります。また、パイプチャック周辺には、温(湿)度試験槽の底板開口部を塞ぐためのプレートが配置されています。
この構造により、振動発生機の可動部を試験槽内へ延長しながら、温(湿)度試験槽の底板開口部を処理し、槽内空間を確保しています。つまり、パイプチャックは、単なる保持具ではなく、振動発生機の振動を温(湿)度試験槽内の供試品へ伝達するための可動部延長治具として扱います。
パイプチャックを使用する場合は、振動の伝達性だけでなく、取付剛性、共振、加振方向、搭載質量、可動部との接続、温度・湿度条件、槽内の有効空間、底板開口部の処理などを確認する必要があります。特に、温(湿)度試験槽と振動発生機を組み合わせる場合は、振動試験条件と温湿度条件の両方に影響するため、治具としての剛性と、試験槽側の環境条件への影響をあわせて考慮します。
なお、パイプチャックは、複合環境試験で使用されていた治具・アタッチメントの一つです。治具全般については「治具」、温度・湿度環境と振動を組み合わせた試験については「複合環境試験」、試験槽内の使用可能な範囲については「有効空間」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:複合環境試験用治具、槽内加振用治具、可動部延長治具、振動台延長治具
関連用語:治具、複合環境試験、温(湿)度試験槽、温(湿)度試験室、振動発生機、可動部、振動台、加振方向、搭載質量、有効空間、共振、伝達率
非周期振動 Aperiodic Vibration / Non-periodic Vibration(ひしゅうきしんどう)
非周期振動とは、一定の周期で同じ波形を繰り返さない振動です。英語では Aperiodic Vibration または Non-periodic Vibration と表されます。
一般的に、正弦波振動のように一定の振動数と周期で繰り返される振動を周期振動と呼びます。一方、非周期振動は、波形が規則的に繰り返されず、時間とともに振幅、振動数成分、波形の形が変化します。衝撃、起動・停止時の振動、突発的な外力による振動、不規則な振動などが非周期振動に含まれる場合があります。
当社製品に関連する振動試験では、非周期振動は、主にランダム振動、衝撃波形、実波形再現、過渡振動などを理解するうえで関係します。例えば、輸送中や走行中に発生する不規則な振動はランダム振動として扱われ、落下や衝突などによる一時的な振動は衝撃や過渡振動として扱われます。
ただし、当社の用語集では、試験名称としては「ランダム振動試験」「衝撃試験」「実波形再現試験」などを優先して使用します。非周期振動は、周期的に繰り返さない振動を表す一般用語として整理します。
詳細は「周期振動」「ランダム振動」「ランダム振動試験」「過渡振動」「衝撃波形」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:非周期的振動、不規則振動、非定常振動
関連用語:周期振動、ランダム振動、ランダム振動試験、過渡振動、衝撃波形、実波形再現試験、正弦波振動、振動数、加速度波形
ピーク値 Peak Value(ぴーくち)
ピーク値とは、時間とともに変化する波形の中で、最大または最小となる値を指します。英語では Peak Value と表されます。
振動試験や衝撃試験では、加速度、速度、変位、力などの波形に対してピーク値を確認する場合があります。特に衝撃試験では、衝撃加速度の最大値をピーク値として扱うことが多く、試験条件の代表値になります。
ランダム振動では、瞬間的なピーク値だけでは全体の振動強さを表しにくいため、加速度実効値やPSDを用いて評価します。ピーク値と実効値は意味が異なるため、試験条件を確認する際は単位や表記を区別する必要があります。
詳細は「加速度実効値」「衝撃加速度」「正弦半波衝撃パルス」「PSD」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:最大値、ピーク、最大ピーク値
関連用語:加速度実効値、衝撃加速度、正弦半波衝撃パルス、PSD
フーリエスペクトル Fourier Spectrum(ふーりえすぺくとる)
地震波などの時間波形を周波数成分に分けて表したものです。
略語・記号:FFT
別名・関連表記:周波数スペクトル、周波数成分
関連用語:FFT、応答スペクトル、地震波
複合環境試験 Combined Environmental Test(ふくごうかんきょうしけん)
複合環境試験とは、振動負荷、温度負荷、湿度負荷など、複数の環境負荷を組み合わせて、製品や部品の耐久性・信頼性を評価する試験です。エミックでは、振動試験装置と温(湿)度試験槽を組み合わせ、振動・温度・湿度を基本とした複合環境試験を行います。
製品や部品は、実際の使用環境や輸送環境の中で、振動、高温、低温、湿度変化などの負荷を同時に受ける場合があります。複合環境試験では、これらの環境負荷を試験槽・試験室内で再現し、単独条件の試験では把握しにくい不具合要因の確認に役立てます。
また、試験内容によっては、基本となる振動・温度・湿度に加えて、熱風負荷、回転負荷、通電負荷、機能負荷などを組み合わせる場合もあります。例えば、エンジン自動車に使用される触媒(キャタライザー)を想定した熱風負荷や、オルタネータを想定した回転負荷を加える機構を備えることで、実際の使用状態に近い条件で評価できます。
なお、業界では「複合環境試験」という用語を、振動・温度・湿度だけに限定せず、衝撃、加速度、通電、機能確認などを組み合わせた試験を含めて使う場合もあります。
略語・記号:なし
別名・関連表記:複合試験、環境複合試験、温湿度振動複合試験
関連用語:振動負荷、温度負荷、湿度負荷、熱風負荷、回転負荷、通電負荷、機能負荷
複合環境試験装置 Combined Environmental Test System(ふくごうかんきょうしけんそうち)
複合環境試験装置とは、振動試験装置と温(湿)度試験槽を組み合わせ、振動負荷、温度負荷、湿度負荷などの環境負荷を同時または連動して与える試験装置です。
試験内容の詳細については、「複合環境試験」を参照してください。
エミックの複合環境試験装置では、基本となる振動・温度・湿度の環境負荷に対して、垂直方向の振動試験に加え、水平方向の振動試験にも対応できます。水平方向の試験では、振動発生機と水平加振台を組み合わせ、供試品に水平方向の振動負荷を与えます。
また、水平加振台に対応した温(湿)度試験槽の移動機構を備えることで、垂直方向・水平方向それぞれの試験条件に合わせた装置構成が可能です。
さらに、水平・垂直方向の切り替え作業を効率化するため、電動切り替え機構や自動ロック機構などを追加できる場合があります。これにより、振動方向の切り替え時の作業負荷を低減し、試験準備や段取り替えにかかる時間の短縮に役立ちます。
略語・記号:なし
別名・関連表記:複合試験装置、環境複合試験装置、温湿度振動複合試験装置、温(湿)度・振動複合環境試験装置
関連用語:振動試験装置、温湿度試験槽、赤外線照射
複合ストレス試験 Combined Stress Test(ふくごうすとれすしけん)
温度、湿度、振動など複数の環境負荷・環境ストレスを組み合わせて、製品や部品の耐久性・信頼性を確認する試験です。エミックの専門用語集では、振動・温度・湿度を基本とする「複合環境試験」の関連用語として整理しています。詳しくは「複合環境試験」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:複合環境ストレス試験、複合負荷試験、複合環境試験、複合試験、環境ストレス試験、Combined Stress Test
関連用語:複合環境試験、HALT、HASS
浮遊磁界 Stray Magnetic Field(ふゆうじかい)
浮遊磁界とは、振動発生機などの装置周辺に発生する磁界のうち、装置の外部に存在する磁界を指します。英語では Stray Magnetic Field と表されます。
動電式振動試験装置では、振動発生機の内部で磁界を利用して可動部を駆動します。そのため、装置の構造や使用条件によっては、振動発生機の周辺に浮遊磁界が発生する場合があります。
浮遊磁界は、磁気の影響を受けやすいセンサ、電子機器、計測器、記録媒体などに影響を与える可能性があります。供試品や周辺機器に磁気の影響を受けやすい部品が含まれる場合は、装置との距離や設置方向、磁気シールドの有無などを事前に確認することが重要です。
当社では、動電式振動試験装置の周辺に存在する外部磁界を表す用語として、「浮遊磁界」を標準的に使用します。「漏れ磁界」「漏洩磁界」などの表現が使われる場合もありますが、専門用語集では「浮遊磁界」を基本表記として扱います。
略語・記号:なし
別名・関連表記:漏れ磁界、漏洩磁界、漏えい磁界、漏洩磁束、漏えい磁束、Stray Magnetic Flux
関連用語:振動発生機、磁界
フルループスプリング Full-loop Spring(ふるるーぷすぷりんぐ)
フルループスプリングとは、ループ状の形状をもつばね部品で、弾性変形によって荷重支持、位置保持、復元力の付与などを行う部品です。英語では Full-loop Spring と表すことができます。
一般的には、ループ形状によって変形を受け持ち、ばねとしての機能を発揮します。ばね定数、許容変位、応力分布、疲労耐久性は、形状、材質、寸法、固定方法によって変わります。
当社製品に関連する振動試験装置や衝撃試験装置では、可動部や支持機構の動き、復元力、拘束条件にばね要素が関係する場合があります。フルループスプリングは、ハーフループスプリングと同様に、ばね特性や取付条件を考慮して使用される部品として整理します。
半ループ形状のばねについては「ハーフループスプリング」、ばね特性の基本については「ばね定数」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:ループスプリング、全ループスプリング
関連用語:ハーフループスプリング、ばね定数、減衰、振動発生機、衝撃試験装置
ブロワ Blower(ぶろわ)
ブロワとは、空気を送り出すための送風装置です。英語では Blower と表されます。一般的には、機器の冷却、換気、排気、乾燥、空気搬送など、空気の流れを必要とする設備で使用されます。
動電式振動試験装置におけるブロワは、主に振動発生機を冷却するために使用されます。振動発生機は、加振中に内部で熱が発生するため、冷却用の空気を送り込み、熱を含んだ空気を外部へ排出する必要があります。ブロワは、この冷却風の供給と排熱に関わる重要な装置です。
ブロワによる冷却が不足すると、振動発生機の温度が上昇し、装置の保護機能が作動したり、連続運転時間や加振条件に制約が生じたりする場合があります。そのため、振動試験装置を安定して運転するには、ブロワの能力だけでなく、吸気と排気の流れを確保することが重要です。
ブロワを使用する場合は、振動発生機から排出される熱い空気をどこへ逃がすかも検討します。排気を室内に戻すと、室温上昇や冷却効率の低下につながる場合があるため、設置環境によっては、ブロワを屋外に設置したり、排気ダクトで外部へ排熱したりする構成をとります。
また、振動試験装置では、加振音、冷却風の吸気音、ブロワ本体の運転音、ブロワ排気音などが発生します。試験条件によっては大きな騒音となるため、防音ボックスや防音室を設置する場合があります。この場合でも、冷却用の空気を取り入れ、熱い空気を外部へ排出できるようにする必要があります。
防音対策を行う際は、単に装置を囲うだけではなく、冷たい空気の取り入れ、熱い空気の排出、ブロワの設置場所、ダクトの取り回しをあわせて検討します。防音と冷却は同時に考える必要があり、吸気口や排気口がふさがれると、冷却性能が低下するおそれがあります。
当社では、振動発生機の冷却・排熱に使用する送風装置を表す用語として、「ブロワ」を標準表記として扱います。「ブロワー」「ブロア」「ブロアー」と表記される場合もありますが、専門用語集では「ブロワ」を基本表記とします。
略語・記号:なし
別名・関連表記:冷却ブロワ、送風機、ファン、ブロワー、ブロア、ブロアー
関連用語:空冷、冷却方式、騒音対策
分解能 Resolution(ぶんかいのう)
分解能とは、測定、表示、制御、解析などにおいて、どの程度細かい違いを識別できるかを表す性能です。英語では Resolution と表されます。
一般的には、測定器が識別できる最小変化量、画像や表示の細かさ、周波数分析で区別できる周波数間隔などを指します。分解能が高いほど、より細かい変化を確認できます。
当社製品に関連する振動試験や計測では、加速度、変位、時間、周波数、電圧、表示値、FFT解析などで分解能が関係します。例えば、周波数分析では、周波数分解能が細かいほど、近接した周波数成分を分けて確認しやすくなります。一方で、測定条件によっては、分解能を細かくすると測定時間やデータ量が増える場合があります。
振動制御装置における分解能は、試験条件や制御・解析結果をどの程度細かく扱えるかに関係します。例えば、振動数の設定間隔、制御レベルの表示・設定単位、A/D変換やD/A変換の細かさ、FFTやPSD解析における周波数分解能などが該当します。分解能が十分でない場合、微小な応答変化や近接した共振点を見分けにくくなることがあります。
ただし、分解能が高ければ必ず試験精度が高くなるわけではありません。分解能は「細かく読み分けられる能力」、精度は「真の値にどれだけ近いか」を表します。振動試験では、分解能だけでなく、センサ、校正状態、ノイズ、治具、制御点、測定条件などもあわせて確認する必要があります。
詳細は「FFT」「周波数分析」「振動制御装置」「加速度ピックアップ」「測定点」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:測定分解能、表示分解能、周波数分解能
関連用語:FFT、周波数分析、測定点、加速度ピックアップ、振動制御装置
プリチャージアンプ Pre-Charge Amplifier(ぷりちゃーじあんぷ)
プリチャージアンプとは、圧電式加速度ピックアップの電荷出力を、測定器や振動制御装置で扱いやすい電圧信号に変換するための機器です。英語では Pre-charge Amplifier、または一般的には Charge Amplifier と表されます。
当社のプリチャージアンプは、主に測定器や振動制御装置の前段で使用する変換器です。圧電式加速度ピックアップから出力される電荷信号を電圧信号へ変換し、振動制御装置や記録計などで信号を扱いやすくします。
振動試験装置では、加速度ピックアップで測定した信号を振動制御装置に入力し、加振制御や応答確認に使用します。プリチャージアンプは、この測定信号を制御・計測に利用できる形へ整える役割を持ちます。
プリチャージアンプは振動計測に使用される機器ですが、単体で振動計として完結するものとは限りません。表示、演算、記録、レベル測定などの機能を持つチャージアンプ方式の振動計とは異なり、測定器や振動制御装置の前段で使用する変換器として扱います。
当社では、504シリーズのように、振動計測・制御の用途に合わせて使用できる汎用型のプリチャージアンプを取り扱っています。専門用語集では、「プリチャージアンプ」を当社表記・製品関連用語として扱い、一般的な「チャージアンプ」との関係が分かるように整理して使用しています。
略語・記号:なし
別名・関連表記:チャージアンプ、電荷増幅器、プリアンプ、Charge Amplifier
関連用語:加速度ピックアップ、振動計測器
プリロード・ポストロード Preload / Postload(ぷりろーど・ぽすとろーど)
プリロード・ポストロードとは、振動試験装置で衝撃波形を再現する際に、主パルスの前後に加える補正成分です。主パルスの前に加える補正成分をプリロード、主パルスの後に加える補正成分をポストロードと呼びます。
正弦半波などの衝撃波形では、主パルスによって可動部に速度変化や変位が発生します。プリロード・ポストロードは、この速度や変位の残りを抑え、可動部を安全に所定位置へ戻しやすくするために用いられます。
また、プリロード・ポストロードは、衝撃応答波形が目標波形の許容範囲、すなわちトレランス範囲に入るように補正制御する目的でも使用されます。振動制御装置では、主パルスだけでなく、その前後の補正成分を含めて波形を制御することで、目標とする衝撃条件に近づけます。
ただし、プリロード・ポストロードは主パルス以外の波形成分を加えるため、供試品に入力される振動成分や周波数成分に影響する場合があります。そのため、試験条件を確認する際は、最大加速度、衝撃パルス作用時間、速度変化、変位、補正係数、トレランス範囲、供試品の取付状態をあわせて確認することが重要です。
略語・記号:なし
別名・関連表記:プリロード、ポストロード、補償波、補正波、Preload、Postload
関連用語:正弦半波、衝撃試験、補正係数、トレランス範囲、振動制御装置
変位 Displacement(へんい)
変位とは、物体の位置が基準位置からどれだけ変化したかを表す量です。英語では Displacement と表し、単位には m、mm、μm などを使用します。
JIS B 0153では、変位を、ある座標系に対する物体または質点の位置の変化を表すベクトル量と定義しています。振動試験では、振動台や供試品の静止位置、平均位置、または中心位置を基準として、その位置からの移動量を表します。
変位は、振動試験装置の能力や試験条件を確認するうえで重要な項目です。JIS B 7758でも、動電式振動試験装置の能力を表す変数として、速度や加速度とともに変位が挙げられており、特に低振動数域では、装置の変位限界が試験条件の制約になる場合があります。
振動試験装置の変位は、一般に mmp-p で表します。p-p は peak to peak の略で、片側の最大位置から反対側の最大位置までの全移動量を示します。例えば、変位が 50 mmp-p の場合、中心位置から片側へ25 mm、反対側へ25 mm動く範囲を意味します。
変位と振幅は、意味が異なります。JIS B 0153では、振幅は正弦振動の極大値と定義されています。振動試験では、中心位置から片側の最大位置までを振幅として扱う一方、装置仕様では、可動部が往復する全体の範囲を示すため、変位をp-p値で表すことが一般的です。
正弦波振動では、振動数、変位、速度、加速度は互いに関係しています。同じ加速度条件でも、振動数が低くなるほど必要な変位は大きくなります。そのため、低振動数域の試験では、装置の最大変位が試験可否を左右することがあります。
地震波再現試験や耐震試験のように低振動数成分を含む試験では、大きな変位が必要になる場合があります。試験条件を検討する際は、変位だけでなく、速度、加振力、搭載質量、供試品や治具の取付状態、周辺との干渉もあわせて確認する必要があります。
詳しくは 「最大変位」「mmp-p」「速度」「加速度」「振動数」「加振能力線図」 を参照してください。
略語・記号:mmp-p
別名・関連表記:最大変位、p-p値、peak to peak、全行程、両振幅、全振幅、片振幅、変位振幅
関連用語:加速度、速度、振動数、加振力、最大変位、振幅、p-p値、全行程、地震波再現試験、耐震試験、搭載質量
方形波衝撃パルス Rectangular Shock Pulse(ほうけいはしょうげきぱるす)
方形波衝撃パルスとは、時刻歴が瞬時にある値に達し、パルスが持続している間は一定値を取り、その後、瞬時にゼロとなる理想衝撃パルスです。英語では Rectangular Shock Pulse と表されます。
方形波衝撃パルスは、一定時間、ほぼ一定の加速度を与える波形として説明されます。理論上は瞬時に立ち上がり、瞬時にゼロへ戻る形状であるため、高い振動数成分を多く含みます。
ただし、方形波衝撃パルスは理想化された波形形状です。実際の試験では、装置の振動数範囲、加振力、速度、変位、治具剛性、供試品応答などの制約により、完全な方形波として再現されるわけではありません。衝撃試験では、実測される衝撃応答波形が、規定されたトレランス範囲内に収まるように制御することが重要です。
当社既存ページでは、「矩形波のパルス」と表記している場合があります。また、一般的には「矩形波」「矩形波衝撃パルス」「矩形パルス」と呼ばれる場合もあります。専門用語集では、JIS B 0153の用語に合わせ、標準表記を「方形波衝撃パルス」とし、「矩形波のパルス」「矩形波」「矩形波衝撃パルス」は別名・当社既存表記として扱います。
詳しくは「理想衝撃パルス」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:矩形波、矩形波衝撃パルス、矩形パルス、矩形波のパルス、方形波パルス
関連用語:理想衝撃パルス、衝撃試験、台形波衝撃パルス、三角波衝撃パルス、最大加速度、衝撃パルス作用時間
防音機構 Soundproofing Mechanism / Noise Reduction Structure / Acoustic Enclosure(ぼうおんきこう)
防音機構とは、装置や設備から発生する音を低減し、周囲へ伝わりにくくするための構造や仕組みです。英語では Soundproofing Mechanism、Noise Reduction Structure、Acoustic Enclosure などと表されます。
一般的には、機械の運転音、送風音、排気音、衝撃音などを低減する目的で使用されます。防音カバー、防音ボックス、防音室、遮音パネル、吸音材、消音ダクトなどが、防音機構に含まれます。
振動試験装置では、振動発生機、ブロワ、冷却風、供試品や治具の共振などによって音が発生する場合があります。試験条件や設置環境によっては、周囲の作業環境に配慮して、防音ボックスや防音室を設置することがあります。
ただし、防音対策を行う場合は、装置を単に囲うだけでは不十分です。振動発生機やブロワの冷却、吸排気、排熱、保守作業、安全確認を妨げないようにする必要があります。特にブロワを使用する装置では、防音と冷却を同時に考えることが重要です。
防音機構の詳細は、「ブロワ」「マフラ」「防振機構」も参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:防音カバー、防音ボックス、防音室、遮音機構、吸音構造、消音ダクト
関連用語:ブロワ、マフラ、防振機構、振動発生機、防音ボックス、防音室、排気ダクト、設置環境
防振機構 Vibration Isolation Mechanism / Anti-vibration Mechanism / Vibration Isolator(ぼうしんきこう)
防振機構とは、振動が床や周辺設備へ伝わることを抑える、または外部からの振動が装置や測定に影響することを抑えるための構造や仕組みです。英語では Vibration Isolation Mechanism、Anti-vibration Mechanism、Vibration Isolator などと表されます。
一般的には、機械設備、精密機器、測定器、建物設備などで、振動伝達を低減するために使用されます。防振ゴム、空気ばね、スプリング、ダンパ、アイソレータ、専用基礎などが、防振機構に含まれます。
振動試験装置では、試験中に発生する振動や反力が、設置床や周辺設備へ伝わる場合があります。特に、大型の振動試験装置、水平加振台、低い振動数で大きな変位を伴う試験では、周囲への振動伝達を抑える対策が必要になることがあります。
防振機構は、周囲への振動伝達を低減するだけでなく、外部振動が測定や制御に影響することを抑える目的でも使われます。ただし、防振機構にも固有振動数があるため、加振条件、供試品質量、設置床の剛性、装置全体の安定性を含めて確認する必要があります。
略語・記号:なし
別名・関連表記:防振装置、防振構造、防振ゴム、空気ばね、アイソレータ、除振機構
関連用語:空気ばね、防音機構、振動試験装置、水平加振台、反力、固有振動数、アイソレータ、設置環境
防振空気ばね Vibration Isolating Air Spring / Air Spring Isolator(ぼうしんくうきばね)
防振空気ばねとは、圧縮空気の弾性を利用して、振動の伝達を低減するために使用する空気ばねです。英語では Vibration Isolating Air Spring または Air Spring Isolator と表すことができます。
振動試験装置では、装置の振動や反力が床、建屋、周辺設備へ伝わることを低減するために使用される場合があります。また、外部からの振動が試験装置や測定環境へ伝わることを抑える目的でも使用されます。
防振空気ばねは、単に装置を支える部品ではなく、装置の設置条件、固有振動数、水平保持、荷重バランス、防振性能に関係します。適切に使用するためには、搭載荷重、ばね定数、空気圧、設置床の剛性、装置の重心などを確認する必要があります。
空気ばねそのものの説明については「空気ばね」、防振の考え方については「防振機構」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:空気ばね、エアスプリング、防振エアスプリング
関連用語:空気ばね、防振機構、ばね定数、固有振動数、反力