専門用語集
GUIDE
日射試験 Solar radiation test(にっしゃしけん)
日射試験とは、太陽光を模擬した光を供試品に照射し、温度上昇、変色、退色、劣化、変形、機能変化などを確認する環境試験です。英語では Solar Radiation Test または Simulated Solar Radiation Test と表されます。
日射試験では、太陽光に含まれる紫外線、可視光、赤外線などの影響を考慮します。屋外で使用される製品、車載部品、樹脂部品、塗装品、電子機器、表示部品などでは、太陽光によって表面温度が上昇したり、材料が劣化したり、外観や機能に影響が出る場合があります。
IEC 60068-2-5:2018 は、地表面における模擬日射条件で機器・部品を試験する方法を規定しており、Test S として、熱影響を扱う Test method Sa と、耐候性・劣化を扱う Test method Sb が示されています。
日射試験は、単に供試品を加熱する試験ではありません。太陽光を模擬した放射条件を与え、光による劣化、放射による温度上昇、屋外使用時の環境影響などを確認する試験として扱います。そのため、照射する光の波長範囲、照度・放射照度、槽内温度、湿度、照射時間、明暗サイクルなどが試験条件として関係します。
なお、日射試験には赤外線成分も含まれる場合がありますが、日射試験=赤外線照射試験ではありません。日射試験は太陽光環境を模擬する試験であり、赤外線照射試験は主に赤外線による放射熱の影響に着目する試験として区別します。
詳細は 「赤外線照射試験」「高温試験」「自然環境」「環境試験」「温(湿)度試験槽」 を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:疑似日射試験 / 模擬日射試験 / 太陽光照射試験 / 日光照射試験 / 太陽光暴露試験 / 日光暴露試験 / 耐候性試験 / 促進耐候性試験 / 光照射試験 / キセノンランプ照射試験 / キセノンアークランプ暴露試験 Simulated solar radiation test / Solar exposure test / Solar irradiation test / Sunshine test / Weathering test / Xenon arc exposure test
関連用語:耐候性試験 / 光照射試験 / 紫外線照射試験 / キセノンランプ照射試験 / キセノンアークランプ暴露試験 / 屋外暴露試験 / 促進耐候性試験 / 太陽光シミュレーション / 放射照度 / ブラックパネル温度
粘性減衰 Viscous Damping(ねんせいげんすい)
粘性減衰とは、速度に比例する抵抗力によって振動エネルギーが減少する減衰のことです。英語では Viscous Damping と表されます。
一般的には、油、空気、粘性材料、ダンパなどによって、振動している物体の運動エネルギーが熱などに変換され、振動が次第に小さくなります。粘性減衰では、速度が大きいほど減衰力も大きくなると考えます。
当社製品に関連する振動試験や防振設計では、供試品、治具、防振機構、空気ばね、支持構造などの振動応答を考える際に、粘性減衰の考え方が関係します。共振時の応答の大きさや、振動が収束する速さを評価するうえで重要です。
減衰全般の説明は「減衰」、減衰の大きさを比率で表す場合は「減衰比」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:速度比例減衰、粘性抵抗による減衰
関連用語:減衰、減衰比、臨界減衰、防振機構、空気ばね、共振
のこぎり波 Sawtooth Wave / Sawtooth Pulse(のこぎりは)
のこぎり波(sawtooth wave)とは、時間の経過に対して値が直線的に増加または減少し、その後、急激に元の値へ戻る波形です。波形の形が、のこぎりの歯のように見えることから、のこぎり波と呼ばれます。
のこぎり波は、信号波形、制御波形、振動・衝撃試験の波形説明などで用いられる基本的な波形の一つです。一定の傾きで変化する部分と、急激に戻る部分を持つことが特徴です。
振動・衝撃試験の分野では、衝撃パルスの形状を説明する際に、のこぎり波に近い波形が使われる場合があります。ただし、一般的な「のこぎり波」は連続的または周期的な波形を指すことがあり、衝撃試験で用いる「のこぎり波衝撃パルス」とは文脈を分けて扱う必要があります。
当社では、一般的な波形を示す場合は「のこぎり波(sawtooth wave)」とし、衝撃試験におけるパルス形状を示す場合は「のこぎり波衝撃パルス(final peak sawtooth shock pulse)」として区別します。
略語・記号:なし
別名・関連表記:鋸歯状波、のこぎり波衝撃、sawtooth pulse
関連用語:波形、衝撃パルス、のこぎり波衝撃パルス、逆のこぎり波衝撃パルス、ランプ波、正弦波、方形波、三角波、台形波、振動制御装置
のこぎり波衝撃パルス Final Peak Sawtooth Shock Pulse / Terminal Peak Sawtooth Shock Pulse(のこぎりはしょうげきぱるす)
のこぎり波衝撃パルス(Final Peak Sawtooth Shock Pulse / Terminal Peak Sawtooth Shock Pulse)とは、直線的に最大値まで増加し、その後、瞬時にゼロとなる三角波形の時刻歴を持つ理想衝撃パルスです。のこぎり波、鋸波、終端ピークのこぎり波と呼ばれることもあります。
のこぎり波衝撃パルスは、時間とともに直線的に加速度が増加し、最後に急激にゼロへ戻る波形として説明されます。急な変化を含むため、高い振動数成分を含みやすく、実際の試験では装置の応答や治具・供試品の特性が波形再現性に影響します。
のこぎり波衝撃パルスは、理想化された波形形状です。実際の試験では、完全な直線増加や瞬時のゼロ戻りをそのまま再現するのではなく、実測される衝撃応答波形が、規定されたトレランス範囲内に収まるように制御します。
詳しくは「理想衝撃パルス」を参照してください。
略語・記号:なし
別名・関連表記:鋸歯状波、のこぎり波衝撃、sawtooth pulse
関連用語:理想衝撃パルス、衝撃試験、正弦半波衝撃パルス、逆のこぎり波衝撃パルス、台形波衝撃パルス