専門用語集

GUIDE

落下衝撃試験 Drop Shock Test / Drop Test(らっかしょうげきしけん)

落下衝撃試験とは、供試品または梱包品を所定の高さから落下させ、落下時の衝撃に対する耐性を確認する試験です。英語では Drop Shock Test または Drop Test と表されます。

製品の輸送、荷扱い、保管、使用中の落下を想定し、外観の損傷、機能異常、内部部品の破損、梱包材の保護性能などを確認します。対象によって、製品単体を落下させる場合と、梱包状態で落下させる場合があります。

落下条件は、落下高さ、落下面、落下姿勢、回数、供試品の質量、合否判定基準などによって定められます。輸送梱包品の場合は、落下衝撃だけでなく、振動試験、圧縮試験、温湿度条件などと組み合わせて評価する場合があります。

詳細は「衝撃試験」「衝撃加速度」「輸送試験」「梱包試験」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:落下試験、落下衝撃、梱包落下試験

関連用語:衝撃試験、衝撃加速度、輸送試験、梱包試験、落下高さ

ラトルノイズ試験 Rattle Noise Testing(らとるのいずしけん)

ラトルノイズ試験とは、振動によって発生する異音を確認する試験です。英語では、当社では Rattle Noise Testing と表記します。

一般的に、ラトルノイズは、部品の接触、すき間、固定不足、摩擦、振動による部品同士の当たりなどによって発生する、カタカタ音、きしみ音、こすれ音などの不快な異音を指します。自動車部品、内装部品、車載機器、樹脂部品、スイッチ、ユニット部品などで、実使用時の振動によって異音が発生しないかを確認するために行われます。

近年は、自動車のハイブリッド化・EV化により、車室内空間の静音性がより重視されるようになっています。また、カーナビなどの車載機器が大型化したことで、より大きな供試品を対象としたラトルノイズ評価試験の需要も高まっています。

振動試験装置を用いるラトルノイズ試験では、供試品に所定の振動を与え、異音の発生有無、発生条件、発生箇所、音の大きさや周波数成分を確認します。試験では、振動条件だけでなく、騒音測定の条件も重要になります。暗騒音、マイクの位置と向き、測定距離、測定高さ、A特性・Z特性などの設定が異なると、測定結果が変わる場合があります。社内資料でも、マイク位置や向き、治具・テーブルからの距離や高さは統一して計測する必要があると整理されています。

ラトルノイズ試験は、JISやISOで「ラトルノイズ試験」という名称の統一的な試験規格として定義されているものではありません。一方、海外の自動車・NVH分野では、Buzz, Squeak and Rattle Testing(BSR Testing) や Squeak and Rattle Testing として扱われることが多く、車室内や部品から発生する不要な異音を評価する試験として実施されています。TÜV SÜDでも、BSR Testing は実走行データを用いて路面プロファイルを再現し、自動車内の不要な可聴音の原因を切り分ける試験として説明されています。

また、関連する規格としては、車内騒音測定に関する ISO 5128、材料ペアのスティックスリップ挙動を評価する VDA 230-206、ブレーキ鳴き音など個別の異音を扱うSAE規格などがあります。ISO 5128:2023 は道路車両の車内音を測定する工学的方法を規定しており、VDA 230-206 は車両内装材料のスティックスリップ挙動を調べる試験シートとして確認できます。

当社では、ラトルノイズ試験の英語表記として Rattle Noise Testing を使用し、海外向け・検索対策として Buzz, Squeak and Rattle Testing(BSR Testing) を関連表記として扱います。

ラトルノイズ試験では、評価対象である供試品の音だけでなく、振動試験装置や治具、ケーブル、センサ、周辺設備から発生する音にも注意が必要です。装置側の摺動音、センサの接触音、コネクタ内部の振動音、電気的ノイズによる音、テーブルや治具の共振音などが混入すると、供試品から発生したラトルノイズとの切り分けが難しくなります。

そのため、ラトルノイズ評価では、供試品を取り付けた状態だけでなく、供試品がない状態や治具単体の状態でも騒音を確認し、評価対象以外の音が測定結果に影響していないかを確認することが重要です。また、騒音対策を行った場合は、特定の周波数帯の音が低減しても、別の周波数帯で音が大きくなる場合があります。対策後は、狙った周波数だけでなく、全体の周波数帯で再確認することが必要です。

ラトルノイズ試験は、単に振動を与えて音を聞く試験ではなく、振動条件、供試品の取付状態、騒音測定条件、暗騒音、装置側の発生音、周波数分析をあわせて確認する異音評価試験です。

略語・記号:なし

別名・関連表記:BSR Testing、Buzz, Squeak and Rattle Testing、Squeak and Rattle Testing、S&R Testing、Rattle Noise Test、異音試験、きしみ音試験、カタカタ音試験、ラトル試験、異音評価試験

関連用語:ランダム振動、加振方向、加速度応答、騒音レベル、音圧レベル、A特性、Z特性、暗騒音、1/3オクターブ解析、FFT、防音機構、防振機構、治具、共振、BSR Testing

ランダム加振力 Random Force(らんだむかしんりょく)

ランダム加振力とは、ランダム振動試験において、振動発生機が可動部、治具、供試品などに与える加振力です。英語では Random force と表されます。

ランダム振動は、一定の振動数だけで繰り返される正弦波振動とは異なり、複数の振動数成分を含む不規則な振動です。そのため、ランダム加振力は、瞬間的な最大値ではなく、一般的に実効値で扱われます。

当社のカタログや仕様表では、ランダム振動時に装置が発生できる加振力を示す項目として Random force を使用します。ランダム加振力は、ランダム振動試験で試験条件を満たせるかを確認するための重要な性能項目です。

必要なランダム加振力は、供試品質量、治具質量、可動部質量、目標加速度実効値、振動数範囲、加速度パワースペクトル密度、制御条件などによって変わります。ランダム加振力が不足すると、設定したPSDや加速度実効値を再現できない場合があります。

なお、振動試験装置の仕様では、試験波形に応じて Sine force、Random force、Shock force のように分けて表示される場合があります。ランダム加振力はランダム振動試験における加振力であり、サイン波振動で使用する Sine force や、衝撃試験で使用する Shock force とは区別して扱います。

詳細は「加振力」「ランダム振動」「加速度実効値」「加速度パワースペクトル密度」を参照してください。

略語・記号:Nrms

別名・関連表記:ランダム定格加振力、ランダム加振力rms、ランダムフォース

関連用語:加振力、ランダム振動

ランダム振動 Random Vibration(らんだむしんどう)

ランダム振動とは、時間的に不規則に変化する振動です。英語では Random Vibration と表されます。

一般的には、自動車走行中の振動、輸送中の振動、航空機や鉄道、機械設備の運転振動など、一定の周期で繰り返さない複雑な振動を表します。

振動試験では、一定の振動数範囲にわたって不規則な振動を与え、供試品が実使用環境や輸送環境で受ける振動に耐えられるかを確認します。ランダム振動試験では、振動の強さを加速度パワースペクトル密度や加速度実効値で表すことが多くあります。

詳細は「加速度パワースペクトル密度」「ASD」「PSD」「加速度実効値」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:不規則振動、ランダム波、広帯域振動

関連用語:加速度パワースペクトル密度、ASD、PSD、加速度実効値、Grms、ランダム加振力

ランダム振動試験 Random Vibration Test / Random Vibration Testing(らんだむしんどうしけん)

ランダム振動試験とは、複数の振動数成分を含む不規則な振動を供試品に与え、輸送中、走行中、使用中などに発生する実環境に近い振動への耐性を確認する試験です。英語では Random Vibration Test または Random Vibration Testing と表されます。

ランダム振動試験では、特定の振動数だけで加振する正弦波振動試験とは異なり、一定の振動数範囲にわたって不規則な振動を与えます。試験条件は、一般に加速度パワースペクトル密度、振動数範囲、加速度実効値、試験時間、加振方向などで規定されます。

自動車部品、電子機器、輸送梱包品、航空宇宙機器、車載機器など、実使用環境や輸送環境で不規則な振動を受ける製品の評価に用いられます。

詳細は「ランダム振動」「加速度パワースペクトル密度」「加速度実効値」「ランダム加振力」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:ランダム試験、不規則振動試験

関連用語:ランダム振動、加速度パワースペクトル密度、加速度実効値、ランダム加振力、PSD、ASD

リアクションマス Reaction Mass(りあくしょんます)

リアクションマスとは、振動試験装置や加振システムで発生する反力を受けるための質量体です。英語では Reaction Mass と表されます。

一般的には、加振器やアクチュエータが対象物に力を加えると、その反作用として反対方向の力が発生します。この反力を受け止め、装置全体の安定性を確保するために設けられる質量体がリアクションマスです。

振動試験装置では、加振中に発生する大きな反力が床や建屋へ伝わる場合があります。リアクションマスを用いることで、加振時の反力を受け、装置の安定性や試験条件の再現性を確保しやすくなります。大型の水平加振台や特殊な加振システムでは、リアクションマス、基礎、防振機構、設置床の剛性を含めて検討する必要があります。

詳細は「反力」「防振機構」「設置環境」「水平加振台」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:反力質量、反力マス、反力受け、基礎質量

関連用語:反力、防振機構、設置環境、水平加振台、加振力、基礎

理想衝撃パルス main shock pulse(りそうしょうげきぱるす)

理想衝撃パルス(main shock pulse)とは、衝撃試験で使用する衝撃パルスを、単純な時間関数で表した理想化された波形形状です。JIS B 0153:2001「機械振動・衝撃用語」では、正弦半波衝撃パルス、のこぎり波衝撃パルス、逆のこぎり波衝撃パルス、三角波衝撃パルス、バーサイン衝撃パルス、方形波衝撃パルス、台形波衝撃パルスなどが、理想衝撃パルスに関係する波形として示されています。

衝撃試験では、供試品に短時間の加速度、速度、変位などの変化を与え、落下、衝突、輸送、取扱い時などに発生する衝撃への耐久性や機能への影響を確認します。このとき、どのような時間変化で衝撃を与えるかを定義するために、理想衝撃パルスを用います。

理想衝撃パルスは、試験条件として指定する衝撃波形の基準となる形状です。実際の衝撃試験では、振動試験装置、電力増幅器、振動発生機、治具、供試品、制御点、センサ特性などの影響により、計測される衝撃応答波形は理想形状からずれを持ちます。

そのため、衝撃試験では、理想衝撃パルスと完全に一致させることではなく、実際に計測される衝撃応答波形が、規定されたトレランス範囲内に収まるように制御することが重要です。振動制御装置では、補正係数や衝撃波形のプリロード・ポストロードなどを用いて、目標とする波形に近い衝撃応答波形を再現します。

当社では、衝撃試験に用いる基準となる主要な衝撃パルスを表す用語として、現行表記では「理想衝撃パルス(main shock pulse)」を使用しています。なお、規格や資料によっては、基準となる衝撃パルスを公称パルス(nominal pulse) と表記する場合もあります。

略語・記号:なし

別名・関連表記:公称パルス(nominal pulse)、基準衝撃パルス、主要衝撃パルス、正弦半波衝撃パルス、のこぎり波衝撃パルス、台形波衝撃パルス

関連用語:衝撃試験、衝撃パルス、公称パルス、正弦半波衝撃パルス、のこぎり波衝撃パルス、台形波衝撃パルス、トレランス、加速度、速度変化、作用時間、振動制御装置、制御点

臨界減衰 Critical Damping(りんかいげんすい)

臨界減衰とは、振動系が振動を繰り返さずに、最も速く静止位置へ戻る境界の減衰状態です。英語では Critical Damping と表されます。

一般的に、減衰が小さい場合は振動しながら徐々に収束します。減衰が大きすぎる場合は、振動はしませんが戻りが遅くなります。臨界減衰は、その中間にある境界状態で、振動を生じさせずに速やかに応答を収束させる考え方です。

当社製品に関連する振動試験、衝撃試験、防振設計では、供試品、治具、防振機構、支持構造などの過渡応答を考える際に臨界減衰の考え方が関係します。ただし、実際の構造物は単純な1自由度系だけでは表せない場合が多いため、臨界減衰は減衰の基準として用いられます。

詳細は「減衰」「減衰比」「1自由度系」「粘性減衰」を参照してください。

略語・記号:なし

別名・関連表記:臨界減衰状態

関連用語:減衰、減衰比、1自由度系、粘性減衰、過渡振動

漏えい磁束(漏洩磁束) Magnetic Flux Leakage / Leakage Magnetic Flux(ろうえいじそく)

漏えい磁束(漏洩磁束)とは、磁化された材料や磁気回路などから、本来の磁束経路の外へ漏れ出す磁束を指します。JISなどでは、ひらがなを用いた「漏えい磁束」の表記も使われます。英語では Magnetic Flux Leakage、または Leakage Magnetic Flux と表されます。

非破壊検査の分野では、漏えい磁束は、鋼材などの強磁性体に存在するきずを検出するために利用されます。強磁性体を磁化したとき、表面や表面近くにきずがあると、その部分で磁束の流れが乱れ、試験体の外部へ磁束が漏れ出します。この漏れ出した磁束を磁気センサなどで検出することで、きずの有無や位置を確認します。

JIS Z 2319:2018では、「漏えい(洩)磁束探傷試験方法」として、鋼などの強磁性体の棒、管、板、構造物、機械部品、ワイヤロープなどに存在するきずを検出する試験方法が規定されています。この規格では、きずから漏えいする磁束の分布や強度を磁気センサで測定し、きずを検出する試験として扱われています。

このように、漏洩磁束/漏えい磁束は、主に磁粉探傷試験や漏えい磁束探傷試験など、非破壊検査の分野で使われる用語です。動電式振動試験装置の周辺に存在する外部磁界を説明する場合は、当社では「浮遊磁界」を標準表記として扱い、「漏洩磁束/漏えい磁束」とは文脈を分けて整理します。

略語・記号:MFL

別名・関連表記:漏洩磁束、漏えい磁束、漏洩磁束探傷、漏えい磁束探傷、磁束漏洩

関連用語:浮遊磁界、漏洩磁界、漏れ磁界、磁束、磁界、磁気センサ、非破壊検査、漏えい磁束探傷試験、磁粉探傷試験

ロジックモジュール Logic Module(ろじっくもじゅーる)

ロジックモジュールは、当社電力増幅器を構成する制御系モジュールです。振動制御装置(コントローラ)から出力された制御信号を受け取り、アンプモジュールを駆動するためのスイッチング制御信号を生成します。アンプモジュールは、この制御信号に従って電力を増幅し、振動発生機の可動コイルへ駆動電力を供給します。

また、ロジックモジュールには、試験モードに応じたVIBRATION MODEの切替、入力信号のAC/DC結合切替、入力ゲイン調整、過負荷・過電圧・過大駆動・出力オフセットなどの保護・調整機能、SYSTEM READYやOFF LINEなどの状態表示機能が備えられています。これにより、電力増幅器の駆動制御と保護動作を担います。

略語・記号:なし

別名・関連表記:ロジックユニット

関連用語:電力増幅器

露点 Dew Point(ろてん)

空気中の水蒸気が飽和し、結露が生じ始める温度の目安です。

略語・記号:Td

別名・関連表記:露点温度、デューポイント

関連用語:相対湿度、絶対湿度、温湿度試験